「模型少年」の記事から

27_0089.jpg昭和21年12月に「モデランド」として創刊され、のち「模型少年」と改題した本誌。豪華な執筆陣を揃え、多彩な製作記事を世に送り、終戦直後の科学工作雑誌ブームの中でひときわ輝いた雑誌として、記憶されるべき存在といえます。

今回はそんな「模型少年」の記事中から、酒井喜房氏設計の英国風ディーゼル機関車の図面と製作記事を紹介させていただきます。戦前「模型鐵道」誌の編集を担当され、洒脱な誌面構成と明快な製作記事で高い評価を得ていた酒井氏のセンスが、ここでも遺憾なく発揮されているといってよろしいでしょう。

なお、合本からの複写でスキャナーが使用できず、止むを得ずカメラでの撮影としましたので、お見苦しい点もあるかと思いますが、雰囲気の一端でもご覧いただければと、あえて掲げさせていただきます。ご容赦ください。
27_0091.jpg模型少年」1949(昭和24)年1月号、第三巻第一号の表紙。記念すべき「モデランド」よりの改題第一号で、表紙絵は田口武二郎氏執筆の製作記事、ケーブルカーを描いたものです。総ページ数44ページ。

他にも山北藤一郎、荒川嘉男、相澤次郎と、執筆陣は戦前からのベテランを揃えた豪華な顔触れで、中でも酒井氏のディーゼルは、巻頭折込図面がついた目玉記事として掲載されました。酒井氏は本記事のほかにも、連載としてED12の製作記事を執筆されています。

以下、1枚目が折込図面の表、2枚目が同裏の解説図、3~4枚目が本文の製作記事です。キャブ妻板の丸窓や、出入口周りの曲線やステップ形状に、ずばり英国機というよりも、「舶来もの」らしいエキゾチックな感じを醸し出させるあたり、酒井氏デザインの妙といえましょう。小型機ながらダブルコレクターとしている点も、堅実な運転性能を目指したことがうかがえて、興味を惹かれます。

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27_0095.jpg表紙や図面など、絵柄の周囲が断ち切られたようになっている部分があるのは、合本時に仕上げ断裁を行い、サイズが発行当初より小さくなったためと思われます。

最後に上の記事が載った号の次号、1949年2月号の表紙もお目にかけましょう。ご覧のとおり酒井氏の記事の機関車に似た、英国型ディーゼルが表紙絵に掲げられており、前号記事をフォローするような形になっています。目次を見ると、作者は山本泉氏となっていました。

本号から表紙のデザインを一新、絵柄もぐっと写実的になって、ますます発展すると思われた「模型少年」ですが、終戦直後創刊の工作雑誌の例に漏れず、短命に終わりました。休刊時期は不明ですが、昭和25年の内と推定しています。
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tag : 模型少年 教誠社 日本科学教育協会